ドップラー効果シミュレーター

音源と観測者の相対運動が知覚される周波数をどう変えるかを見てみましょう。

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近づく場合と遠ざかる場合は鏡像ではない 🖖

ドップラー効果は、波の発生源と観測者が相対運動するときに発生する周波数の変化を示します。音源が接近すると、連続する波面が圧縮されて波長が短くなり、観測される周波数が高くなります(f' = f * (v + vo) / (v - vs))。これにより、音波は高音に、電磁波は青方偏移し、遠ざかると逆になります。

なぜサイレンは通り過ぎる瞬間に下がるのか 🖖

よくある誤解: 一定の速度で近づく救急車の音は、だんだん高くなるのではなく、高いまま一定の音を保ち、あなたを通り過ぎた瞬間に低い一定の音へと切り替わります。音の高さが変わるのは、あなたに対する運動の向きが「近づく」から「遠ざかる」へ反転するからです。音源の速度を設定して再生すると、前方観測者の値は接近中は一定のまま、通過時に一段下がります。

音のドップラー効果は「誰が動いているか」を暴く 🖖

音では、音源が動く場合と観測者が動く場合は、接近速度が同じでも等価ではありません。静止した聴き手に 34.3 m/s で近づく音源は 440 Hz を f·343/308.7 ≈ 489 Hz に上げますが、静止した音源に同じ 34.3 m/s で近づく聴き手が聞くのは f·377.3/343 ≈ 484 Hz だけです。空気が特別な基準系となるため、音のドップラー効果は媒質に対して誰が動いているかをひそかに教えてくれます。媒質を持たない光のドップラー効果には決してできないことです。

ドップラー効果 — 動いているのが誰かで使う式が決まる

あなたはどのドップラーの型か

音源と聞き手の距離が変わると音の高さが変わります。ただしどの式を使うかは、そのどちらが動いているかで決まります。音は空気の中を伝わり、空気は特別な基準系だからです。順に三つを問います。音源は動いているか、観測者は動いているか、そして音源は自分の作る波より速いか。光はまったく媒質を持たないので、別の答えが必要です。

音源が動き観測者は静止 — 典型的なサイレン f′ = f₀ v / (v − vs)
両方が動く — 二つの速さは入れ替えられない f′ = f₀ (v + vo) / (v − vs)
音源が音より速い — ドップラーではなく衝撃波の円錐 M = vs/v ≥ 1; sinθ = 1/M
— 媒質がないので相対速度だけが効く f′ = f₀√((1 − β)/(1 + β))

01

音源が動き観測者は静止 — 典型的なサイレン

わかっていること: 音源は空気中を vₛ で進み、あなたは静止している。変わるのは分母だけで、音源は前方で自分の波面を追いかけ、後方では波面を引き伸ばす。

式: f′ = f₀ v / (v − vs)

計算例: f₀ = 700 Hz、vₛ = 30 m/s、v = 343 m/s → 近づくとき 700 × 343/313 = 767 Hz、遠ざかるとき 700 × 343/373 = 644 Hz

この型を開く: 救急車
音源が動き観測者は静止 — 典型的なサイレン. 波面は動く音源の前で詰まり、後ろで広がる。 音源は空気中を vₛ で進み、あなたは静止している。変わるのは分母だけで、音源は前方で自分の波面を追いかけ、後方では波面を引き伸ばす。
波面は動く音源の前で詰まり、後ろで広がる。

02

両方が動く — 二つの速さは入れ替えられない

わかっていること: 音源も観測者も空気中を動いている。観測者の速さは分子に、音源の速さは分母に入り、入れ替えても同じ答えにはならない。

式: f′ = f₀ (v + vo) / (v − vs)

計算例: f₀ = 500 Hz、vₛ = 50 m/s、vₒ = 10 m/s、v = 343 m/s → 近づくとき 500 × 353/293 = 602 Hz、遠ざかるとき 500 × 333/393 = 424 Hz

この型を開く: 電車
両方が動く — 二つの速さは入れ替えられない. 音源の速さと観測者の速さは、分数の反対側に入る。 音源も観測者も空気中を動いている。観測者の速さは分子に、音源の速さは分母に入り、入れ替えても同じ答えにはならない。
音源の速さと観測者の速さは、分数の反対側に入る。

03

音源が音より速い — ドップラーではなく衝撃波の円錐

わかっていること: vₛ ≥ v なのでマッハ数 M = vₛ/v は 1 以上。分母 v − vₛ は 0 に近づき、やがて負になる。前方の振動数の式は意味を失う。

式: M = vs/v ≥ 1; sinθ = 1/M

計算例: vₛ = 400 m/s、v = 343 m/s → M = 1.17、波面は半頂角 sin θ = 1/M の円錐に積み重なる → θ = 59°

この型を開く: 超音速
音源が音より速い — ドップラーではなく衝撃波の円錐. M > 1 では波面に包絡線ができる:半頂角 sin θ = 1/M の円錐。 vₛ ≥ v なのでマッハ数 M = vₛ/v は 1 以上。分母 v − vₛ は 0 に近づき、やがて負になる。前方の振動数の式は意味を失う。
M > 1 では波面に包絡線ができる:半頂角 sin θ = 1/M の円錐。

04

— 媒質がないので相対速度だけが効く

わかっていること: 波は音ではなく光。基準系を定める空気がないので「どちらが動いているか」は意味を持たず、古典的な式は近似にすぎない。

式: f′ = f₀√((1 − β)/(1 + β))

計算例: f₀ = 600 THz が 5 × 10⁷ m/s で遠ざかる(β = 0.167)→ 古典式では 514 THz、相対論では 507 THz。すでに 1.4 % の差

この型を開く: 赤方偏移
光 — 媒質がないので相対速度だけが効く. 媒質なし:ずれは相対速度だけで決まり、相対論の式が要る。 波は音ではなく光。基準系を定める空気がないので「どちらが動いているか」は意味を持たず、古典的な式は近似にすぎない。
媒質なし:ずれは相対速度だけで決まり、相対論の式が要る。
参考文献 (2)
  • The effect as first proposed: C. Doppler, "Über das farbige Licht der Doppelsterne und einiger anderer Gestirne des Himmels." Abhandlungen der königlich böhmischen Gesellschaft der Wissenschaften 2, 465–482, 1842.
  • Insight block 3 — why source motion and observer motion are not equivalent for sound: L. E. Kinsler, A. R. Frey, A. B. Coppens and J. V. Sanders, Fundamentals of Acoustics, 4th edition, ch. 5. Wiley, 2000. ISBN 978-0-471-84789-2 — the medium as a preferred frame, and the asymmetry it produces.

全プロセスの詳細解説

  1. 700 Hz のサイレン(30 m/s で移動)の前方および後方の周波数 5 ステップ

    空気中を 30 m/s で移動する 700 Hz のサイレン。前方と後方の周波数を求め、観測者ではなく音源が移動していることが影響するかどうかを判定せよ。

    1. 前方へ移動する音源は、各波の山を前の山により近い位置で放つため、前方の波長は音源が 1 周期の間に移動した距離だけ短くなる。一定の波速をその短くなった波長で割る。

    2. 後方では、符号を逆にして同じ論理を適用する。分子ではなく分母が変化していることに注意されたい。波速は空気によって決定され、音源の運動にはまったく無関係である。

    3. 2 つの周波数変化を比較する。これらが異なるのは 1/(1−x) と 1/(1+x) が鏡像関係にないからであり、その差はマッハ数の 2 次の項となる。

    4. 今度は音源を静止させ、代わりに観測者を移動させる。速度は分子に入り、2 つの周波数変化は完全に対称となって、その平均値は放射された周波数に等しくなる。

    5. これら 2 つの記述がどれほど乖離するかを左右するのがマッハ数である。0.087 では両者は 1% 以内で一致する。差異は 2 次的であるため、ここではほとんど現れないが、Mach 1 付近では決定的なものとなる。

    解答

    767.1 Hz と 643.7 Hz ――そしてはい、影響する。2 つの周波数変化は等しくない。前方の +67.1 Hz に対し後方は −56.3 Hz であり、平均は 700 ではなく 705.4 になる。代わりに同じ 30 m/s を観測者の運動として計算すると 761.2 と 638.8 が得られ、その平均はちょうど 700 になる。相対速度は同じでも答えが異なるのは、音には媒体が存在し、どちらがそこを移動しているかを空気は知っているからである。ここが音響学と相対性理論の分かれ目である。光には媒体がなく、相対速度のみが残るため、相対論的ドップラーの公式はその構造上対称である。ここでの非対称性は速度とともに増大し、Mach 0.5 では前方の周波数が 2 倍になり、Mach 1 では分母が 0 に達する。これは無限に高い音調ではなく、衝撃波面を意味する。

例題

  • 救急車 - 救急車のサイレン(速度30 m/s)
  • 電車 - 電車の警笛と移動する観測者
  • 超音速 - 超音速:マッハ数 > 1、衝撃波円錐
  • 赤方偏移 - 宇宙論的赤方偏移のアナロジー