傾きとアスペクト比

二つのパネル、一つの系列。左のパネルは軸がゼロから始まりますが、右のパネルはデータに合わせて切り取られています。高さをドラッグして、数値がまったく同じまま、二つの角度がどう動くか見てみましょう。

インタラクティブシミュレーションを読み込んでいます...

一組の数値、二つの異なる図 🖖

両方のパネルは同じ十二個の数値を描画しています。左のパネルは軸がゼロから始まり、右のパネルはデータに合わせて切り取られており、上に表示されている二つの角度は全く異なります。高さのスライダーをドラッグして、下の数値は一切変わらないまま角度が一緒に変化する様子を見てください。ここでの主張は一つです。見かけの急さはデータの中にはありません。 それは y 軸の範囲と枠の形状によって決まるものであり、どちらもグラフを描いた人物が選んだものです。ですから、グラフが急激な上昇を示していると言う人は、実は軸について説明しているのです。下の例題では、指定された 600 × 300 の枠で正確な数値を計算し、軸の始まり方だけで同じ線が 20.1° にも 3.1° にもなることを具体的に示します。

二つのレバー、そして完全に相殺される効果 🖖

角度は一つの公式に従います。tan θ = 傾き × (y 単位あたりのピクセル数) ÷ (x 単位あたりのピクセル数)。これにより作成者には二つのレバーが与えられますが、それらは完全にトレードオフの関係にあります。y の範囲を半分にし、枠の高さを半分にすると、直線は小数点以下九桁まで全く同じ角度になります。つまり、スケールのないグラフなど存在しないということです。これまでに描かれたすべての折れ線グラフがこの選択を行ってきました。ほとんどの場合、それが明示されていないだけなのです。

論理的な正解はあるが、それは間違って見える 🖖

人間の目は傾きではなく角度を判断するため、線分が 45° 付近にあるとき、急さの違いを最もよく見分けることができます。一般的な線分がその角度になるようにアスペクト比を選ぶことを45°バンキングと呼びます。これは個人の好みではなく計算によるものです。ボタンを押すと、このツールはパネルの高さを計算し、使用した幅を表示します。バンキングされた高さ自体には意味がありません。選ばれているのはあくまで比率だからです。幅 600 ピクセルの場合、この系列は 818 ピクセル の高さを必要とします。幅よりも高さがあり、誰も直感的には描かないような形状ですが、これがそのデータにとって誠実な形です。「適切なアスペクト比を選ぶ」という曖昧な作業は、数値を計算できることで初めて検証可能なものに変わります。

全プロセスの詳細解説

  1. 12ポイントにわたって1ステップあたり2単位上昇する線の角度 7 ステップ

    幅 600px、高さ 300px のグラフがあります。y 軸は 95 から 125 まであり、線は 12 個の点にわたって1ステップごとに 2 単位上昇します。実際に描かれる角度は何度でしょうか。

    1. 単位あたりのピクセル数で計算します。十二個の点は 600 ピクセルの幅の中に十一個の間隔を作り、30 単位の軸は 300 ピクセルにわたって広がります。

    2. したがって、2 データ単位のステップは、横 54.5 ピクセルに対して縦 20 ピクセルになります。

    3. これがその角度です。次に、他は一切変えずに軸を 0–200 に広げます。縦のスケールは 1 単位あたり 1.5 ピクセルに下がるため、同じステップが 20 ピクセルではなく 3 ピクセルになります。

    4. 全く同じ十二個の数値を使っているのに、20.1° から 3.1° に変わりました。前者を急激な上昇、後者を平坦だと表現する人は、単にグラフの軸について説明しているに過ぎません。

    5. ここで、二つのレバーが実は一つのものであることを確認するため、範囲を半分の 15 単位に、高さを半分の 150 ピクセルにしてみましょう。単位あたりのピクセル数は変わらないため、角度も同じになるはずです。

    6. バンキングは逆の問いを投げかけます。tan θ = 1 となり、人間の目が最も傾きを比較しやすい 45° に一般的な線分を配置するには、高さはいくらにすべきか。ピクセルの縦の増加量と横の増加量を等しく設定し、高さを求めます。

    7. 幅 600 に対して高さ 818 ピクセル。これがこのデータの求める形状です。これは誰も直感的には描かない形であり、だからこそ目分量ではなく計算する必要があるのです。

    解答

    20.1° ですが、全く同じ正当性で 3.1° にもなり得ました。 角度は軸の範囲と枠によって決まり、これらは完全に相殺し合うため、スケールのないグラフなど存在しません。45°バンキングは、この系列に対して正当な答えを与えてくれます。つまり、幅 600 ピクセルに対して高さ 818 ピクセルです。

  2. 3対1の上昇と下降、そしてそれを見せる形 7 ステップ

    緩やかな上昇、急な下降を押してください。系列は6ステップかけて上がり、2ステップで下がりますが、初期の形では二つの脚はよく似て見えます。両者の差が最も大きくなる高さを求め、それがツールの右パネルを 45° にバンキングボタンで得られるものかどうかを判断してください。

    1. 図を見る前に、数値を読み取っておきましょう。点は17個、ステップは16回、そして系列全体にあるステップは2種類だけです。5 の上昇が12回と、15 の下降が4回。このデータにはそれ以外何もありません。

    2. したがって中央値のステップは 5、二つの脚の比はちょうど 3 です。この比は数値そのものの性質であり、どんなアスペクト比も手を触れられません。だからこそ図のほうは、それについて嘘をつく自由を持っています。

    3. 中央値の線分のピクセル上の傾きを s と置きます。急なほうの脚は 3s になり、実際に目に見える角度はその逆正接です。問題はどの s を選ぶか、それだけです。

    4. 45° へのバンキングは s = 1 を選びます。ボタンがしているのはまさにそれで、中央値の線分が 45° に来るまで高さを調整します。上昇の脚は 45.000°、下降の脚は 71.565° に落ち着き、その差は 26.565° です。

    5. しかしバンキングが最大化していたのは差そのものではありません。ならば差を直接求めましょう。二つの角度の差を微分してゼロと置きます。3s と s が互いに引き合い、式は一つの二次方程式に収まって、答えは 1/√3 です。

    6. その形では二つの脚は 30° と 60° になり、差は 30.000°。バンキングした形より 3.5 度大きく、しかも枠の高さは半分を少し超える程度です。

    7. 二つの答えが互いに余角になるのは、3 という数の偶然ではありません。最も見分けやすい組は必ず 45° を挟んで対称に並びます。つまり二つの傾きの幾何平均こそが 45° に置かれるべき量です。クリーブランドの規則は、傾きの大きさがすべて等しい系列についてのこの主張にあたります。

    解答

    30° と 60°、バンキング時の高さの 0.577 倍のところです。 45° バンキングの高さのカードがあなたのパネルにどんな数値を出しても、それに 0.577 を掛ければ、この系列の非対称性は見せられる限りいちばんはっきり見えます。

    それでもバンキングは正しい既定値であり、これはそれへの反論ではありません。バンキングは、多くの傾きを並べたときに目がそれらを見分けられる度合いを最大化するもので、典型例の代わりに中央値を使います。傾きが多様な系列では、それが正しいやり方です。この系列には傾きが2種類しかありません。異なる傾きの数が少なく、問いが「それらは違うのか」であるとき、中央値は何の代わりでもなくなり、意味を持つ量は幾何平均のほうです。5 ではなく √(5 × 15) です。

    これを知っておく価値があるのは、バンキングを有名にした系列がまさにこの形だからです。縦長に描けば、太陽黒点の記録は左右対称の山が並んでいるように見えます。クリーブランドが描いたように横長に低く描けば、周期は上がるときのほうが下がるときより明らかに急だと分かります。違いはアスペクト比だけでした。上の計算はどれだけ低くすべきかを教え、そして系列の傾きが多数ではなく2種類のときは、誠実な答えは彼が書き留めた規則よりさらに低い、と言っています。

参考文献 (2)
  • Banking to 45 degrees: the aspect ratio the tool computes, and why that angle Cleveland, W. S., McGill, M. E. and McGill, R. (1988). The Shape Parameter of a Two-Variable Graph. Journal of the American Statistical Association, 83(402), 289–300. doi:10.1080/01621459.1988.10478598
  • Where the perceptual claim underneath it comes from Cleveland, W. S. (1993). Visualizing Data. Hobart Press. — on judging slope, and on aspect ratio as a parameter of the display rather than of the data.

例題

  • 一定の上昇 - 一段進むごとに2ずつ増える、まっすぐな直線です。表示範囲をデータに合わせると、原点から表示した場合より五倍近く急に上昇して見えます。使っている十二個の数値は同じでも、表示枠の大きさを変えれば二つの角度はどちらも変わります。
  • 平坦(ノイズあり) - ここでは何も起きていません。値は四単位の幅の中を変動しているだけです。ゼロ基準でプロットすると線は平坦に見えます。しかしデータ自体の範囲に切り取ると、同じ変動がパネルを埋め尽くし、上昇しているように見えます。そして表示される二つの角度は全く異なります。どちらの角度もデータの性質を表しているわけではなく、両方ともパネルの幅に依存しているのです。
  • 緩やかな上昇、急な下降 - このグラフは実際、ゆっくり上昇して速く下降し、その比は正確に3対1です。ただし、速さの差がどれほどに見えるかは表示枠によります。縦につぶせば下降は3倍急に見え、傾きを45°に合わせると、同じ下降でも1.6倍に見えます。非対称であること自体は確かでも、その程度を示す数値は表示枠によって変わります。