脱出速度比較ツール

v = √(2GM/R) — 天体の重力から永遠に脱出するために必要な最低速度

インタラクティブシミュレーションを読み込んでいます...

シュワルツシルト半径とブラックホール 🖖

あらゆる天体には脱出速度が光速に等しくなる半径が存在します。それがシュワルツシルト半径 rs = 2GM/c² です。太陽の場合はわずか3 km。ブラックホールは神秘的な存在ではなく、物理的半径がシュワルツシルト半径より小さい天体に過ぎません。

ロケット自身の質量が関係ない理由 🖖

脱出速度とは、物体が落ちて戻らずに永遠に遠ざかれる打ち上げ速度のことです。意外なのは、それが離れる天体だけで決まる点です。天体の質量 M と半径 R から v = √(2GM/R) で決まり、投げる物体が何かには一切よりません。ビー玉でも戦艦でも、地球を離れるには同じ 11.2 km/s が必要です。だからこそ、一つの数字で各天体を言い表せるのです。

脱出は周回よりわずか√2倍速いだけ 🖖

天体の表面すれすれを周回する速度は v = √(GM/R) で、脱出速度はちょうどその √2 倍です。つまり安定した軌道から抜け出すのに速度を倍にする必要はなく、約 41% 増しで足ります。これがこのツールのシミュレーションの黄色い軌跡で、脱出速度の 0.71× (1/√2) で打ち出されます。緑の脱出弾が永遠に飛び去る一方、黄色は円軌道に落ち着きます。

例題

  • - 月 — 2.38 km/s。非常に小さいため、隕石衝突による放出物がそのまま宇宙空間へ脱出してしまう
  • 火星 - 火星 — 5.03 km/s。地質学的な時間スケールでは軽い大気ガスを保持できないほど小さい
  • 金星 - 金星 — 10.36 km/s。大気の散逸を大幅に抑えられる程度には十分大きい
  • 地球 - 地球 — 11.2 km/s。室温での気体分子の速さはこれよりずっと遅いため、大気は重力に束縛されたままとなる
  • 土星 - 土星 — 35.5 km/s。環の粒子は脱出するには遅すぎ、落下するには速すぎる速度で公転している
  • 木星 - 木星 — 59.5 km/s。地球とは異なり、水素やヘリウムを保持できるほど強力
  • 太陽 - 太陽 — 617.5 km/s(光速cの0.2%)。半径3 kmまで圧縮すると光さえも脱出できなくなる
  • 例 8 - 白色矮星のサンプルケース
  • 例 9 - 中性子星のサンプルケース