レッスン
理論 — 分子時計計算機
分子時計は、配列の違いを経過時間に変える。手順は三つ:違いを数え、その数え上げを補正し、速度で割る。第一と第三はただの算術である。面白い振る舞いはすべて第二に宿っている——手法がまったく機能しなくなる地点も含めて。求めればこのページはそれを見せてくれる。
各記号の意味
p- 整列した部位のうち異なるものの生の割合。ページは違いの個数の横にパーセントで表示する——既定のペアでは 7.7%、すなわち 13 部位のうち 1 部位。
d- 補正後の進化的距離、部位あたりの置換数。つねに
pより大きく、両者の差は際限なく開いていく。 μ- 部位あたり・年あたりの置換速度。これは入力であって結果ではない——あなたが与えるものであり、以降のすべてがその不確かさを受け継ぐ。
t- ページが報告する分岐年代、現在から遡った年数。
公式の導き方
- 一つの部位を、四つの塩基のあいだをランダムに飛び移るものとしてモデル化する。ジュークス・カンターの仮定——どの塩基も等頻度、どの置換も等確率——のもとでは、進化的距離
dの後に二配列がある部位で異なる確率はp = (3/4)(1 − e^(−4d/3))となる。曲線として読んでほしい:ゼロから始まり急に立ち上がり、指数項が消えるにつれて平らになり、3/4 に近づきながら決して到達しない。 - 観測できるのは
pで、欲しいのはdだから、逆に解く。整理するとe^(−4d/3) = 1 − 4p/3、対数をとってd = −(3/4)·ln(1 − 4p/3)。既定の整列で試す:13 部位に 1 つの違いはp = 0.0769であり、式は0.0812を返す——ページが表示するとおりの値だ。この深さでは補正の効き目は約 5% である。 - ではこの対数が死ぬ場所を見よう。引数
1 − 4p/3はp = 3/4でゼロになり、そこでdは無限大へ走る。この閾値は代数の副産物ではない:3/4 とは、まったく無縁な二配列が異なる部位の割合である。等確率の四塩基は偶然だけで四回に一回一致するからだ。つまり補正は、整列が統計的に雑音と区別できなくなるまさにその点で発散する——無限大は誤りではなく正直な答えなのだ。75.0% の「飽和」プリセットを読み込めば、ページはまさにそう報告する。 - 飽和は有名な限界だが、最初に噛みついてくることは稀である。既定の整列は十三塩基だ。違いが一つなら
d = 0.0812。このページの「高速ウイルス」プリセットは同じ 13 部位で違いが二つ、そしてd = 0.1722を与える——たった一つ違いが増えるだけで距離は倍以上になる。(その分岐年代が違うのは別の理由で、このプリセットはウイルス用の速度も与えているからだ。)これほど短い配列では推定値は大きな離散的跳躍で動き、どんな補正もそれを直さない。長さが精度を買い、補正が買うのは正確さだけである。
表示の読み方
四行を、上から下へ処理の流れとして読む。整列長と違いの数が生の観測であり、パーセントが p だ。ジュークス・カンター距離はその観測に段階 2 を施したもの。分岐年代はその距離を速度の二倍で割ったもの。読むだけでなく理解しておくべきは三行目である:∞(飽和) と出るとき、それは計算に失敗しているのではなく、データがどんな年代とも矛盾しないと報告しているのだ。
- 前提
- ジュークス・カンターが仮定するすべて。そして実際の DNA はそのどれも厳密には満たさない:四塩基が等頻度で、十二通りの置換が等確率であること——実際にはトランジションがトランスバージョンをおよそ二対一で上回り、GC 含量はゲノム間でもゲノム内でも大きく変動する。モデルの外では、両系統でも時間を通じても一定の速度、独立かつ同速度で進化する部位、そしてすでに正しい整列。さらに時計が数えるのは置換であって突然変異ではないので、測っているのは選択が通したものである。
- 成り立たない場合
- このページで最も弱い数値は、あなたが打ち込んだものである。
μは入力であり、その較正こそが分野全体の真のボトルネックだ——速度は化石や既知の分岐から推定され、遺伝子ごと、系統ごと、さらには同じ遺伝子内の部位ごとに異なり、二倍の食い違いは珍しくもない。それでもページは分岐年代を有効数字三桁で返してくる。算術は支えられても生物学は支えられない精度である。補正後の距離を測定値と見なし、年代はその測定値に誤差幅を付すべき数を掛けたものと考えてほしい。モデルにかかる圧力がもう二つ、どちらも同じ向きに働く:部位ごとに進化速度が異なるとジュークス・カンターは過小補正する。速い部位が飽和している一方で遅い部位はまだ始まったばかりだからだ。トランジションが優勢な場合にも再び過小補正する。したがって真の距離はここに印字されたものより概して大きく、深くなるほどその差は開いていく。
全プロセスの詳細解説
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1か所だけ異なる13のアライメント済み塩基の2つの配列 5 ステップ
アライメントされた13塩基の2つの配列において1つのサイトで違いが見られ、置換速度は1サイト当たり年間 5 × 10⁻⁹ である。分岐の年代を算出し、さらにその年代値が実際にはどれほどの価値を持つのかを評価せよ。
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生の観測値は異なるサイトの割合であり、13個中1個、すなわち 7.7% である。
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この割合は実際の進化距離を過小評価している。なぜなら、あるサイトが2回変異して変化がないように見えたり、2回変異しても1回の変化にしか見えない場合があるからである。ジュークス・カンターは目に見えない変化を補正する手法であり、p が 0.75(無関係な2つの配列が偶然のみで一致する点)に向かって上昇するにつれて、その補正量は際限なく大きくなる。
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2という係数は、多くの人が誤るポイントである。分岐以降、両方の系統で変異が蓄積しているため、生じた相違点は経過時間の2倍に相当する。単に μ だけで割ってしまうと、共通祖先の年代を実際の2倍の古さと見積もることになる。
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ここでの補正効果はわずか 5.5% にすぎない。まさに p が小さく、重複置換が稀だからである。しかし、より遠縁の配列では、この補正の有無が妥当な回答と無意味なでたらめとの差を生むことになる。
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さて、ここからが現実的な評価である。13サイトというのは、たった13個の標本に過ぎない。不一致がもう1つ増えるだけで p = 2/13、d = 0.1722 となり、年代は 17.2 百万年となる。
解答
ツールが出力するのは、塩基相違率 7.7%、ジュークス・カンター距離 0.0812、そして 8.1 Mya での分岐である。すべてのステップは正しいが、入力が13塩基であるため、この答えには何の価値もない。不一致がもう1つ(別の遺伝子を選べば十分に起こり得るわずか1塩基)増えるだけで、年代は2倍の 17.2 百万年になるからである。実際の分子時計がまさにこの理由から数千ものサイトを使用するのであり、サイト数を増やしても算術計算の仕組みは一切変わらない。変わるのは答えの幅であり、その幅こそが結果なのである。幅の提示を伴わない年代値は、測定値を装ったただの数値にすぎない。
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学習の道すじ
岩の中の時計
参考文献 (3)
- The correction in the second block, and the formula the lesson derives: T. H. Jukes and C. R. Cantor, "Evolution of protein molecules", in H. N. Munro (ed.), Mammalian Protein Metabolism III, 21–132. Academic Press, 1969.
- The lesson's closing point — why Jukes–Cantor under-corrects when sites evolve at different speeds: Z. Yang, "Among-site rate variation and its impact on phylogenetic analyses." Trends in Ecology & Evolution 11(9), 367–372, 1996.
- Calibrating the clock, and why the divergence factor is 2: M. Nei and S. Kumar, Molecular Evolution and Phylogenetics, ch. 2 and 10. Oxford University Press, 2000. ISBN 978-0-19-513585-5.