運動量と衝突の実験室

1次元の台車衝突をシミュレートし、運動量保存則、運動エネルギーの変化、反発係数を探求します。

インタラクティブシミュレーションを読み込んでいます...

運動量は衝突を必ず生き延びるが、エネルギーはそうとは限らない 🖖

いかなる閉じた系においても、運動量は作用・反作用の法則(ニュートンの第3法則)によって常に保存されます。すなわち、台車1が台車2に及ぼす力は、台車2が台車1に及ぼす力と等しく、かつ逆向きです。しかし、運動エネルギーは完全弾性衝突(e = 1)の場合にのみ保存されます。現実のマクロな衝突では、エネルギーは常に熱エネルギー、音、物質の変形に放散されます(e < 1)。一方、サブアトミック(亜原子)スケールにおける気体分子同士の衝突は完全弾性であり、気体が床に静的な冷たい液だまりとして沈殿しないのはこのためです。

跳ね返りを決めるただ一つの数 🖖

反発係数 e は、このツールの中心的なつまみです。これは単に「分離速度 ÷ 接近速度」で、e = 1 は完全な跳ね返り(スーパーボール)を、e = 0 は台車が濡れた粘土のようにくっついて離れないことを意味します。自宅でも測れます。ボールを落とし、跳ね返った高さを落とした高さで割ると、それが になります。落とした高さの約64%まで跳ね返るバスケットボールは e ≈ 0.8 です。

ボイジャー2号は木星とビリヤードをした 🖖

探査機のスイングバイ(重力アシスト)は、何一つ接触しないまま、まさにこの法則に従います。惑星の基準系では接近通過は完全弾性衝突(e = 1)で、探査機は来たときと同じ速さで、向きだけ変えて去ります。ところが太陽の基準系では、惑星の公転速度のほぼ2倍を得ることができます。こうしてボイジャー2号は木星付近で約 10 km/s を稼ぎました。これは惑星の公転運動から借りたもので、その代わり惑星はごくわずかに減速したのです。

衝突 — 運動量は必ず残り、エネルギーはしばしば残らない

いま扱っているのはどの衝突か

ここに並ぶ衝突はどれも運動量を保存します。m₁u₁ + m₂u₂ は前後で必ず同じです。型を分けるのは運動エネルギーがどれだけ残るかで、それを決めるのはただ一つの数 — 反発係数 e、すなわち離れる速さを近づく速さで割った値です。まず e を決め、次に質量比が誰がどこへ行くかを教えてくれます。

完全弾性 (e = 1) — 運動エネルギーがそのまま残る e = 1, K′ = K
完全非弾性 (e = 0) — くっついて、失う量は最大 e = 0, v₁ = v₂
部分弾性 (0 < e < 1) — 現実はこの中間 e = (v₂ − v₁)/(u₁ − u₂)
重いものが軽いものを打つ — 小さいほうが撃ち出される m₁ ≫ m₂ ⇒ v₂ → 2u₁
軽いものが重いものを打つ — まっすぐ跳ね返る m₁ ≪ m₂ ⇒ v₁ → −u₁

01

完全弾性 (e = 1) — 運動エネルギーがそのまま残る

わかっていること: 永久変形も発熱も起きず、台車は近づいたのと同じ速さで離れる。運動量も運動エネルギーもどちらも保存される。

反発係数: e = 1, K′ = K

計算例: +3 m/s の 2 kg と −3 m/s の 2 kg が e = 1 で衝突 → −3 と +3 m/s で離れる。速度が入れ替わるだけで、18 J はすべて残る。

この型を開く: ビリヤード球の衝突
完全弾性 (e = 1) — 運動エネルギーがそのまま残る. 等質量で e = 1:台車は速度を交換し、1 ジュールも失わない。 永久変形も発熱も起きず、台車は近づいたのと同じ速さで離れる。運動量も運動エネルギーもどちらも保存される。
等質量で e = 1:台車は速度を交換し、1 ジュールも失わない。

02

完全非弾性 (e = 0) — くっついて、失う量は最大

わかっていること: 台車は一つの共通の速度で進むので、離れる速さは 0。運動量はそれでも合うが、運動エネルギーの損失は起こりうる最大になる。

反発係数: e = 0, v₁ = v₂

計算例: 3 m/s の 2 kg が静止した 3 kg に衝突、e = 0 → 二つとも 1.2 m/s で進み、はじめの 9 J のうち 5.4 J が消える。損失 60 %。

この型を開く: 非弾性の合体衝突
完全非弾性 (e = 0) — くっついて、失う量は最大. e = 0 では台車は一緒に動き出し、足りないエネルギーは損傷に変わっている。 台車は一つの共通の速度で進むので、離れる速さは 0。運動量はそれでも合うが、運動エネルギーの損失は起こりうる最大になる。
e = 0 では台車は一緒に動き出し、足りないエネルギーは損傷に変わっている。

03

部分弾性 (0 < e < 1) — 現実はこの中間

わかっていること: 台車は離れるが、近づいたときより遅い。e はその比で、e = (v₂ − v₁)/(u₁ − u₂)。

反発係数: e = (v₂ − v₁)/(u₁ − u₂)

計算例: +4 m/s の 3 kg と −2 m/s の 2 kg が e = 0.5 で衝突 → v₁ = +0.4、v₂ = +3.4 m/s。6 m/s の接近は 3 m/s になって返り、28 J のうち 16.2 J が失われる。

この型を開く: バンパーカーの衝突
部分弾性 (0 < e < 1) — 現実はこの中間. 0 < e < 1 では出会ったときより遅く離れ、その差は熱として出ていく。 台車は離れるが、近づいたときより遅い。e はその比で、e = (v₂ − v₁)/(u₁ − u₂)。
0 < e < 1 では出会ったときより遅く離れ、その差は熱として出ていく。

04

重いものが軽いものを打つ — 小さいほうが撃ち出される

わかっていること: m₁ が m₂ よりずっと大きい弾性衝突。重い台車は衝突をほとんど感じず、軽いほうは飛んできた何よりも速く去る。

反発係数: m₁ ≫ m₂ ⇒ v₂ → 2u₁

計算例: 3 m/s の 8 kg が静止した 1 kg に弾性衝突 → 重い台車は 2.33 m/s に落ちるだけで、軽いほうは上限 2u₁ に近い 5.33 m/s で去る。

この型を開く: 重い物体が軽い物体に衝突
重いものが軽いものを打つ — 小さいほうが撃ち出される. m₁ ≫ m₂ では重い台車はほぼそのまま進み、軽いほうが前へ放り出される。 m₁ が m₂ よりずっと大きい弾性衝突。重い台車は衝突をほとんど感じず、軽いほうは飛んできた何よりも速く去る。
m₁ ≫ m₂ では重い台車はほぼそのまま進み、軽いほうが前へ放り出される。

05

軽いものが重いものを打つ — まっすぐ跳ね返る

わかっていること: m₁ が m₂ よりずっと小さい弾性衝突。飛び込んだ台車は向きを変え、重いほうはほとんど動かない。

反発係数: m₁ ≪ m₂ ⇒ v₁ → −u₁

計算例: 3 m/s の 1 kg が静止した 8 kg に弾性衝突 → 軽い台車は −2.33 m/s で跳ね返り、重いほうは 0.67 m/s でゆっくり進む。

この型を開く: 軽い物体が重い物体で跳ね返る
軽いものが重いものを打つ — まっすぐ跳ね返る. m₁ ≪ m₂ では軽い台車がほぼ元の速さで跳ね返り、重いほうはほとんど動かない。 m₁ が m₂ よりずっと小さい弾性衝突。飛び込んだ台車は向きを変え、重いほうはほとんど動かない。
m₁ ≪ m₂ では軽い台車がほぼ元の速さで跳ね返り、重いほうはほとんど動かない。
参考文献 (1)

全プロセスの詳細解説

  1. 3 kgの台車と弾性衝突する2 kgの台車 5 ステップ

    3 m/s で進む 2 kg の台車と −1 m/s で進む 3 kg の台車が弾性衝突する。2つの保存法則から衝突後の両方の速度を求め、さらに、台車同士が一体化した場合にこの同じ衝突でどれだけのエネルギーが失われるかを確認する。

    1. 衝突の種類によらず成立するため、まずは運動量から考える。符号が向きを表すため、2台目の台車の −1 は引き算となる。

    2. 運動エネルギーが2つ目の制約条件であり、これは衝突が弾性衝突である場合にのみ成立する。投入されるエネルギーは 10.5 J である。

    3. 一方が二次方程式である2つの方程式を解く作業は回避できる。弾性衝突では相対速度が単純に反転し(台車は接近時と同じ速さで離れていく)、この一次の関係式がエネルギー方程式を正確に代用する。

    4. したがって、2つの一次方程式から両方の速度が直接求まる。軽い台車は後方へ跳ね返り、重い台車は前方へ押し出されるが、最終的な速さは軽い台車が到達したときの速さよりも遅くなる。

    5. ここで反発係数を 0 に設定すると、台車は運動量による重み付き平均速度 0.6 m/s で一体となって進み、0.9 J の運動エネルギーをもつ。

    解答

    ツールは衝突前後の値として 3.00 kg·m/s、および 10.50 J と表示する — 運動量とエネルギーの双方が保存されており、これこそが弾性の意味するところである。反発係数のスライダーを 0 までドラッグし、最初のペアが変わらない一方で2つ目のペアの値が離れていくのを観察してみよう。運動量は依然として 3.00 と表示されるが、エネルギーは 0.9 J まで減少する。運動エネルギーの 91.4% が失われ、熱や音、永久変形へと費やされるが、運動量はその影響を受けない。この非対称性こそが実用上重要である — 運動量はあらゆる衝突で保存されるが、エネルギーが保存されるのは理想化された衝突のみであり、クランプルゾーンとは2番目の数値をできる限り大きくするための装置である。

学習の道すじ

力ではなくエネルギーで

例題

  • ビリヤード球の衝突 - 質量が等しく e=1 の場合:速度がそのまま入れ替わる(+3 → -3、-3 → +3)— ビリヤードの球のような典型的な弾性衝突。
  • 非弾性の合体衝突 - m1=2 kg(3 m/s)が静止したm2=3 kgに衝突、e=0:2台はくっついたまま1.2 m/sで進む。
  • 重い物体が軽い物体に衝突 - m1=8 kgが静止したm2=1 kgに弾性衝突:重い台車はほとんど減速せず(3→2.33 m/s)、軽い台車は5.33 m/sで飛び出す。
  • 軽い物体が重い物体で跳ね返る - m1=1 kgが静止したm2=8 kgに弾性衝突:軽い台車は跳ね返り(3→-2.33 m/s)、重い台車はわずかに動き出す(0→0.67 m/s)。
  • バンパーカーの衝突 - e=0.5:m1=3 kg(4 m/s)がm2=2 kg(-2 m/s)と衝突:部分弾性衝突で運動エネルギーの約58%が失われる — バンパーカーのような現実的な衝突。