レッスン
理論 — 捕獲を伴うロジスティック成長
一定量漁獲を伴うロジスティック成長とは、式 dN/dt = rN(1 − N/K) − H のことです。半分埋まったときにいちばん速く増える個体群から、残りが何匹だろうと毎年決まった数を差し引く。この最後の一句がすべての難しさです。資源が減っても、漁獲は減りません。
各記号の意味
r- 内的増加率。個体群が小さく、制約を受けていないときにどれだけ速く増えるか。
K- 環境収容力。ここで成長がゼロになります。
H- 漁獲。単位時間あたりの個体数であって、割合ではありません。
N₋, N₊- 二つの平衡点。
N₊は安定で、健全な資源が落ち着く先。N₋は不安定で、それより下では資源が回復できなくなる境目です。
公式の導き方
- 平衡とは変化しない個体数のことですから、
dN/dt = 0と置きます。すなわちrN(1 − N/K) = H。左辺が成長、右辺が漁獲 —— 資源が一定に保たれるのは、増えた分と取った分がちょうど等しいときです。 - 左辺は
Nの上に凸な放物線で、N = 0とN = Kでゼロ、頂点はN = K/2、そこでの成長はrK/4です。つまりこの式は、高さHの水平線が丘を切る図です。交点は二つ、一つ、あるいはゼロ。 - 解くと
N± = (K/2)(1 ± √(1 − 4H/(rK)))。平方根が実数であるのはH ≤ rK/4のあいだだけで、最大持続生産量はここから出てきます。政策上の選択としてではなく、これを超えると水平線が丘をまるごと越えてしまう高さとしてです。 - 二つの解は同等ではありません。
N₋のすぐ上では丘が線より高く、成長が漁獲に勝って資源は増えます。すぐ下では漁獲が勝ち、資源はさらに減り、翌年はもっと悪くなります。N₋は遠ざけ、N₊は引き寄せます。Hを上げると二つは近づいてK/2で出会い、それを越えると交点はひとつもなくなります。
表示の読み方
青い線が時間に対する個体数です。灰色の破線が環境収容力、緑の破線が資源の向かう安定平衡、赤い点線が崩壊しきい値です。その下の赤い帯は、この漁獲量では回復不能な領域です。青い線がそこから始まるか、あるいは一度でもそこへ押し込まれれば、ゼロに達します。漁獲が最大持続生産量を超えると破線は両方とも消えます。資源が落ち着ける場所が、もう残っていないからです。
- 前提
- 年齢構造をもたない単一種、捕食者なし、年ごとに変動しない環境。成長はロジスティックなので、余剰は現在の資源量だけで決まります。そして漁獲は本当に一定 —— 残りが何匹になろうと同じ絶対量で続きます。絶滅が「近づく」だけでなく有限時間で「到達しうる」ものになるのは、まさにこのためです。
- 成り立たない場合
- 不安定平衡は、この決定論的な図では示せない仕方で危険です。現実の資源は揺らぎます。そして一度でも
N₋の下へ押し込まれれば —— 加入の悪い年がひとつあれば —— 割当量はそのままでも、モデルはそれをゼロへ送ります。漁獲が最大持続生産量に近いほどN₋は高く登り、それを越えるのに必要な衝撃は小さくなります。理論上の最大値をめざす管理は、したがって「やや危うい政策」ではありません。致命的な衝撃をもっとも小さくしてしまう政策です。
全プロセスの詳細解説
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最大持続生産量50の漁場から10のみを捕獲 5 ステップ
ある漁業資源は r = 0.4、環境収容力 500 でロジスティック成長し、その最大持続生産量は 50 である。持続可能な漁獲量の 5 分の 1 にあたる 10 だけを採取した場合でも、資源が崩壊にどれほど接近しているかを求めよ。
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このモデルは、ロジスティック成長から一定の漁獲量を差し引いたものである。「一定」という仮定こそが問題を引き起こす。資源量が減少しても、漁獲量は減少させないからである。
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変化率をゼロとおくと N に関する 2 次方程式が得られるため、平衡点は 1 つではなく 2 つ存在することになる。これこそが本質である。漁獲を行わないロジスティック個体群は K に 1 つの安定平衡点を持つが、固定の漁獲量を加えることでそれが 2 つに分裂する。
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H = 10 のとき、判別式は 0.8 となり、根は 473.6 と 26.4 になる。大きい方の根は安定である。資源量をどちらに少し動かしても元に戻る。小さい方の根は安定ではない。それは境界(閾値)である。
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平方根の中身は H が rK/4 = 50 に達したときにゼロとなる。これが最大持続生産量であり、まさに 2 つの平衡点が合体して消滅する点である。これを超えると平衡点は一切存在しなくなり、どの初期サイズから始めても資源量はゼロへと向かう。
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このことは、小さい方の根の捉え方を完全に変える。それは単なる個体数ではなく、安全余裕度(マージン)である。すなわち、漁獲量が再成長量を上回るまでに、その漁場が耐えられる不運の許容量を意味する。
解答
ツールは安定資源量 473.607、崩壊の閾値 26.393、および MSY 50 を出力する。持続可能な最大値の 5 分の 1 だけを採取する場合でも、環境収容力の約 5% という明確な下限が残る。いかなる理由であれ一度でもこれを下回れば、同じ控えめな漁獲量であっても個体群はゼロへと追いやられる。MSY ぴったり で漁獲することは、見た目以上に悪影響が大きい。そこでは 2 つの根が 250 で一致し、安全余裕度はまさにゼロとなり、r や K をわずかに過大評価しただけで、もはや存在しない境界線の向こう側に追いやられてしまう。N₀ = 26 から始まるプリセットは罠の全体像を示している。法的にも認められた、控えめで、真に持続可能と思える漁獲量でありながら、資源量は結局絶滅に至るのである。
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学習の道すじ
限界を伴う成長
参考文献 (1)
- The paper that put maximum sustainable yield into fisheries management, and the model this tool integrates: M. B. Schaefer, "Some aspects of the dynamics of populations important to the management of the commercial marine fisheries", 1954 — reprinted in Bulletin of Mathematical Biology 53(1–2), 253–279, 1991.