極限エクスプローラー

関数と点aを入力してください。xをaの左右から一桁ずつ近づけ、fの値を追います。左右から同じ値に近づくのか、異なる値に近づくのか。無限大へ発散することも、どこにも収束しないこともあります。

左右の極限が同じ有限の値なら、極限が存在する
aで連続
正弦関数の微分を支える極限
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レッスン

理論 — 極限エクスプローラー

x → aのときlim f(x) = Lとは、x ≠ aのままxをaに十分近づければ、f(x)をLにいくらでも近づけられるという意味です。f(a)の値は関係ありません。定義されていなくても、Lと異なる値でもかまいません。

各記号の意味

a
xが近づく点
L
極限値
L⁻, L⁺
x < aからの左極限と、x > aからの右極限
h
fの値を調べる点とaとの距離。10⁻¹から10⁻⁸まで縮めます

公式の導き方

  1. まず代入する。fが連続なら、極限はその点での関数値です。多項式、sin、cos、eˣはすべての点で連続です。これらの商も、分母が0でない点では連続です。
  2. 0/0なら、式を変形する。分子と分母に共通因数(x − a)があれば約分できます。極限で調べるのはx = aそのものではないからです。根号を含む差には、共役な式を掛けて有理化します。
  3. 左右から調べる。左右で異なる値に近づく場合や、無限大へ発散する場合、有限の極限は存在しません。その振る舞いによって不連続点を分類できます。ページ下部のガイドで確認しましょう。
  4. 変形が難しければ、はさみうちにする。aの近くでg ≤ f ≤ hが成り立ち、gとhがともにLに収束するなら、fもLに収束します。弧度法のページでは、この方法でsin x / x → 1を証明します。振動する関数も、上下の幅が狭まれば、その中で同じ値に近づきます。

すべての微分は姿を変えた 0/0 🖖

曲線上のある点での傾きを求めようと、(f(x+h) − f(x)) / hにh = 0を代入すると、fが定義されているどの点でも0/0になります。この割り算では答えが出ません。0/0は数ではなく、式をどう変形しても数にはなりません。そこで極限を使います。hが0になったときの値ではなく、hを0に近づけたときに商がどの値に近づくかを調べるのです。その値が接線の傾きになります。次のページでは、各xでこの極限を求めます。

数表がうそをつくとき 🖖

調べる点の落とし穴を押してみてください。このページでは、n = 1から8まで、x = a ± 10⁻ⁿでのfの値を調べます。0付近のsin(π/x)では、どの行も0です。指数が整数ならsin(10ⁿπ) = 0となるため、ページは極限を0と判定します。ところが、調べた点の間で関数は−1と+1の間を振動し続け、実際には極限は存在しません。数値上の収束は手がかりにはなっても、証明にはなりません。

極限の理論 — x が a に近づくときグラフは何をするか

あなたの極限はどの型か

極限が問うのは、x が a に近づくとき f がどこへ向かうかであり、a での f の値ではありません。まず左右の片側極限を読み取ります。一致すれば極限は存在し、あとは f(a) がその値と合うかどうかだけです。一致しなければ、そのずれ方 — 段差、発散、終わらない振動 — が型の名前になります。

除去可能な穴 — 両側は一致し、f(a) だけがない L⁻ = L⁺ ≠ f(a)
約分できる 0/0 — 結論の前に因数分解する 0/0 → ÷(x − a)
跳び — 左右が食い違う L⁻ ≠ L⁺
無限 — 値が目盛りの外へ飛び出す f → ±∞ at x = a
振動 — 値が決して落ち着かない ∄L, |f| ≤ 1

01

除去可能な穴 — 両側は一致し、f(a) だけがない

わかっていること: 左右の極限は等しく有限だが、f(a) は定義されていない。a を代入すると 0/0 になり、約分できる因子もない。

判定: L⁻ = L⁺ ≠ f(a)

計算例: f(x) = sin(x)/x、a = 0 → f(0) は 0/0 だが、f(±0.001) = 0.99999983 → 極限 = 1

この型を開く: sinc:sin(x)/x
除去可能な穴 — 両側は一致し、f(a) だけがない. 左右の枝は同じ高さを目指し、点だけがくり抜かれている。 左右の極限は等しく有限だが、f(a) は定義されていない。a を代入すると 0/0 になり、約分できる因子もない。
左右の枝は同じ高さを目指し、点だけがくり抜かれている。

02

約分できる 0/0 — 結論の前に因数分解する

わかっていること: a を代入すると 0/0 になり、分子と分母は共通因子 (x − a) をもつ。

判定: 0/0 → ÷(x − a)

計算例: f(x) = (x² − 1)/(x − 1)、a = 1 → (x − 1)(x + 1)/(x − 1) = x + 1 → 極限 = 2

この型を開く: 約分で求める0/0
約分できる 0/0 — 結論の前に因数分解する. 約分後のグラフは、一点だけ抜けた直線 y = x + 1 になる。 a を代入すると 0/0 になり、分子と分母は共通因子 (x − a) をもつ。
約分後のグラフは、一点だけ抜けた直線 y = x + 1 になる。

03

跳び — 左右が食い違う

わかっていること: 片側極限はどちらも有限だが値が異なる。グラフは a で一方の高さから他方の高さへ段差を作る。

判定: L⁻ ≠ L⁺

計算例: f(x) = |x|/x、a = 0 → 左極限 = −1、右極限 = +1 → 極限は存在しない

この型を開く: 跳躍:|x|/x
跳び — 左右が食い違う. 高さの違う二本の平らな枝:左右が食い違い、単一の極限はない。 片側極限はどちらも有限だが値が異なる。グラフは a で一方の高さから他方の高さへ段差を作る。
高さの違う二本の平らな枝:左右が食い違い、単一の極限はない。

04

無限 — 値が目盛りの外へ飛び出す

わかっていること: 少なくとも一方の側が限りなく大きくなる。a を代入すると 0 でない数を 0 で割る形になり、x = a に垂直漸近線が立つ。

判定: f → ±∞ at x = a

計算例: f(x) = 1/x、a = 0 → 左からは → −∞、右からは → +∞ → 有限の極限はない

この型を開く: 無限大:1/x
無限 — 値が目盛りの外へ飛び出す. 二本の枝は垂直漸近線 x = a に沿って離れていく。 少なくとも一方の側が限りなく大きくなる。a を代入すると 0 でない数を 0 で割る形になり、x = a に垂直漸近線が立つ。
二本の枝は垂直漸近線 x = a に沿って離れていく。

05

振動 — 値が決して落ち着かない

わかっていること: 関数は有界のままだが、a にどれだけ近づいて見ても、同じ範囲を無限回行き来する。

判定: ∄L, |f| ≤ 1

計算例: f(x) = sin(1/x)、a = 0 → x = 0.001 から x = 0.002 の間でグラフは約 80 周し、[−1, 1] のすべての値を通る

この型を開く: 振動:sin(1/x)
振動 — 値が決して落ち着かない. x が 0 に近づくほど、振動は小さくならず速くなる。 関数は有界のままだが、a にどれだけ近づいて見ても、同じ範囲を無限回行き来する。
x が 0 に近づくほど、振動は小さくならず速くなる。

全プロセスの詳細解説

  1. 因数分解で求める0/0 3 ステップ

    x → 3のときの(x² − 9)/(x − 3)の極限を求めましょう。

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    1. まず代入すると0/0です。式を変形しましょう。

    2. 分子は平方の差なので、因数分解すると分母と同じ因数が現れます。極限ではx = 3そのものを調べないので、約分できます。

    3. 残った式は3で連続なので、代入します。

    解答

    極限値は6です。関数そのものは3で定義されていません。ページにも、極限値は6、aでの値は未定義と、それぞれ表示されます。

  2. 平方根を含む0/0 3 ステップ

    x → 0のときの(√(x + 4) − 2)/xの極限を求めましょう。

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    1. 代入すると、ここでも0/0です。

    2. そのままでは因数分解できません。分子と分母に共役な式√(x + 4) + 2を掛けると、分子が平方の差になり、xを約分できます。

    3. ここで代入します。

    解答

    極限値は¼です。ページでは、左の列は0.25に上から、右の列は下から近づきます。

  3. sin 3xをxで割った式 3 ステップ

    x → 0のときのsin(3x)/xの極限を求めましょう。

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    1. 基本の極限を使うには、sinの中と分母を同じ式にそろえます。3を掛けて3で割ると、

    2. x → 0ならu = 3xも0に近づくので、uについて基本の極限が使えます。

    3. したがって、

    解答

    極限値は3です。同じ変形により、0でない任意の定数kについてsin(kx)/x → kが成り立ちます。

  4. (1 − cos x)/x²と、桁落ちする数表 3 ステップ

    x → 0のときの(1 − cos x)/x²の極限を求め、ページの表の最終行が0になる理由を説明しましょう。

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    1. 分子と分母に1 + cos xを掛け、1 − cos²x = sin²xを使います。

    2. これで、各因子の極限がわかります。

    3. x = 10⁻⁸では、cos xと1との差は5 × 10⁻¹⁷です。これは、コンピューターが表せる1とそのすぐ下の数との間隔の半分にも届きません。そのため計算上のcos xはちょうど1となり、分子はちょうど0になります。

    解答

    極限値は½です。表はx = 10⁻⁵まで0.500000を保ちますが、10⁻⁶と10⁻⁷では値が乱れ、10⁻⁸では0になります。ページは、最も値が安定している行から極限を推定するため、最終行の値ではなく0.5を表示します。

  5. 左右の極限が異なる跳躍不連続 2 ステップ

    |x − 2|/(x − 2)のx = 2での片側極限をそれぞれ求め、極限が存在するか調べましょう。

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    1. 2の左側と右側に分けて、絶対値を外します。

    2. 左右で異なる値になります。

    解答

    左極限は−1、右極限は1なので、極限は存在しません。f(2)をどんな値にしても連続にはできません。跳躍不連続です。

  6. 無限大へ向かう極限と、左右で分かれる発散 3 ステップ

    x → 1のときの1/(x − 1)²の振る舞いを調べ、1/(x − 1)と比べましょう。

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    1. 代入すると、分母が0になります。有限の極限にはならないので、どちらの向きに発散するかを調べます。

    2. 分母の平方は左右どちらでも正で、0に近づきます。そのため分数の値は左右とも大きくなり、距離が10⁻³の時点ですでに1,000,000です。

    3. 左右とも+∞に発散するので、極限を+∞と書きます。平方を外すと、x − 1の符号が1を境に変わり、左右は逆向きに発散します。

    解答

    1/(x − 1)²は左右とも+∞に発散します。1/(x − 1)は左で−∞、右で+∞に発散するため、無限大への発散という意味でも極限は存在しません。どちらの関数も1では定義されず、そこで連続ではありません。

  7. はさみうちの原理 3 ステップ

    x → 0のときのx² sin(1/x)の極限を求めましょう。

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    1. sin(1/x)は0の近くで振動し続け、極限をもちません。そのため、積の極限をそれぞれの極限の積として求めることはできません。ただし、sin(1/x)の値には上下の限界があります。

    2. 各辺に、負にならないx²を掛けます。

    3. 上下の式がともに0に近づくので、その間にはさまれた関数も0に近づきます。

    解答

    極限値は0です。振動は際限なく速くなりながら続きますが、その振れ幅は0に向かって縮んでいきます。

  8. 連続になるように定数を決める 2 ステップ

    x < 2ではf(x) = kx + 1、x ≥ 2ではf(x) = x²とします。fが2で連続になるようにkを求めましょう。

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    1. 2で連続になるには、左右の極限がともにf(2)に一致する必要があります。右極限とf(2)は、どちらも4です。

    2. 左極限も同じ値になるようにします。

    解答

    k = 3/2です。それ以外のkでは、グラフは2で跳びます。

  9. 無限遠での極限 2 ステップ

    x → ∞のときの(3x² + 1)/(2x² − x)の極限を求めましょう。

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    1. 分母で次数が最も高いx²で、分子と分母を割ります。

    2. 分母にxを含む項は、どれも0に近づきます。

    解答

    極限値は、最高次の係数の比である3/2です。グラフは水平な漸近線y = 3/2をもちます。

  10. 任意のεに対してδを与え、sin x / x → 1を証明する 5 ステップ

    任意のεに対してδを具体的に与え、sin x / x → 1を証明しましょう。また、表の有効な二行の値を、表示を見る前に予測しましょう。関数はf(x) = sin(x)/x、近づく先はx → 0です。

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    解答を表示
    1. 正弦関数の級数をxで割れるのはx ≠ 0のときです。極限で調べる範囲では、いつでもこの変形ができます。得られる式にはxの偶数乗しか現れません。そのため、表の左の列と右の列は、どの行でもすべての桁が一致します。

    2. ここでは二項で十分です。x⁴の項はすでに8.33 × 10⁻⁷まで小さくなり、小数第6位には影響しません。

    3. xを10分の1にすると、1との差は100分の1になります。この差はxの二乗に比例して小さくなるのです。「極限が1である」よりも、ずっと詳しいことがわかります。表の二行だけでも、その関係を確かめられます。

    4. ただし、数値で確かめるだけでは証明になりません。級数の残り全体を評価しましょう。|x| ≤ 1では、各項の絶対値が小さくなる交代級数なので、1より後の部分の絶対値は、最初に省いた項の絶対値x²/6以下です。この不等式をxについて解けば、δを探す代わりに式で求められます。

    5. 平方根が現れる意味も読み取れます。εを1,000,000分の1に厳しくしても、xに求められる範囲は1,000分の1になるだけです。

    解答

    表には、x = 0.1で0.998334、x = 0.01で0.999983と表示されます。どちらも、パネルを見る前に級数の四項から求めた値です。δ = √(6ε)を使えば、任意の許容誤差に対して、それを満たすxの範囲が平方根の計算だけで確実にわかります。さらに拡大しても、この保証が崩れることはありません。表で違いが見えなくなる理由も説明できます。xが一行ごとに10分の1になると、1との差は100分の1になります。三行目では、その差は1.6667 × 10⁻⁷で、小数第6位の単位の半分未満です。そのため、三行目とその下の五行はすべて1.000000と表示されます。実際には、x = 0.001での値は0.99999983です。この差を捨てずに調べてみましょう。最初の行の差1.665834 × 10⁻³を0.01で割ると、0.16658となり、1/6に近い値が現れます。よく知られた極限の奥に、もう一つ極限が隠れていました。級数には、その値も初めから現れています。

学習の道すじ

なぜ、近づけばすべてはまっすぐに見えるのか

参考文献 (1)