全プロセスの詳細解説
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半グラムに収まる20都市の巡回と、地球上には収まらない39都市の巡回 6 ステップ
20都市の巡回セールスマン問題をアドルマンの手法にならって符号化する。候補ルート1本につきDNA1本、1都市につき20ヌクレオチドとする。このライブラリのDNAの質量を求めよ。次に、実行不可能になるまで都市を追加し、その実際の限界を示せ。
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まず候補の数を数える。出発都市を固定すると、巡回ルートは残りの都市の順列となるため、候補は 20! 通り存在する。これは 2,432,902,008,176,640,000 通り、すなわち約 2.43 × 10¹⁸ 通りである。
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次に、候補1つの質量を求める。20の都市それぞれが20ヌクレオチドずつ占めるため、DNA鎖の長さは 400 nt となり、1本鎖DNAはヌクレオチド1モルあたり約 330 g である。
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1モルはアボガドロ数個のDNA鎖に相当するため、アボガドロ数で割ることで単一分子の質量が求まる。400 × 330 ÷ 6.022 × 10²³、すなわち 2.19 × 10⁻¹⁹ g である。
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この2つを掛け合わせる。1本あたり 2.19 × 10⁻¹⁹ g のDNA鎖が 2.43 × 10¹⁸ 本集まると、計 0.533 g となる。試験管に収まるわずか半グラムであり、これこそがDNAコンピューティングが実用に耐えると思わせる数値である。
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都市を1つ増やす。候補数は21倍になり、DNA鎖の長さは 420 nt に伸びるため、質量は 21 × (420/400) = 22.05 倍に増えて 11.8 g となる。たった1都市の追加で、前のライブラリ全体の22倍の質量を費やすことになる。
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さらに都市を増やすと、倍率そのものが大きくなっていく。倍率は (n+1) × (1 + 1/n) で表されるためである。38都市ではライブラリの質量は 2.18 × 10²⁶ g となり、これは地球の 3.65% にあたる。39都市になると 8.72 × 10²⁷ g に達するが、地球自体の質量は 5.97 × 10²⁷ である。
解答
20都市で半グラム、39都市で地球1.46個分。38から39への飛躍は40.0倍であり、たった1都市の追加によって、必要量は惑星の 3.65% から地球全体の 1.46 倍へと跳ね上がる。これが分子ブルートフォースに対する反論のすべてであり、それが何に起因していないかにも注目されたい。DNAが遅いからでも、化学的性質の信頼性が低いからでも、DNA鎖を合成できないからでもない。それらの問題はどれも解決されうる。解決不可能なのは、n! 個の分子の質量は n! 個の分子の質量であるという事実である。大規模並列処理は TIME をプロセッサ数で割るが、プロセッサの数自体は全く変化させない。したがって、利用可能な原子の数以上のプロセッサを必要とする問題は、より良い工学技術を待っている状態ではない。ツールは地球の直線に対して質量の曲線を描くが、描くことができないのはその倍率の増加である。ツールが出力するのは質量であり、比率ではないからだ。
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学習の道すじ
分子で計算する
参考文献 (2)
- The seven-vertex directed Hamiltonian-path experiment this scaling argument starts from: L. M. Adleman, “Molecular Computation of Solutions to Combinatorial Problems.” Science 266(5187), 1021–1024, 1994.
- The molecular-weight approximation used to turn nucleotide count into ssDNA mass: MIT OpenCourseWare, 5.36 Biochemistry Laboratory manual, 2009.