レッスン
理論 — 過学習:適合は良く、予測は悪く
過学習とは、あてはめに用いた標本のノイズまでもモデルが表現してしまうことです。ノイズを含んだ n 個の点に、次数 d の多項式をあてはめてみましょう。次数を一つ上げるたびに訓練誤差は減少します。手元にある点へ向かって曲がるための自由度が、新たに一つ手に入るからです。d = n − 1 のとき、曲線はすべての点を正確に貫きます。完璧なあてはめであり、そして無価値です。評価において本当に重要なのは、モデルがまだ見ていないデータに対する誤差だからです。
各記号の意味
d- 多項式の次数。モデルが曲がるための自由度
σ- 点が抽出される際のノイズ。いかなるモデルにも予測できない
- 前提
- 各点のノイズが互いに独立しており、背後にある真の曲線が動かないという前提です。センサーのドリフトや市場のレジームなど、誤差に相関がある場合、検証用に残したデータも訓練データから独立ではなくなります。そうなれば、このページにあるすべての数値は、事実を示す誠実なものではなく、単なる楽観的な値に変わってしまうのです。
全プロセスの詳細解説
-
データが多ければ、より大きなモデルを使えるという話を聞いたことがあるかもしれません。答えが異なる二つの真の関数を使って、それが事実となる場合とそうでない場合を確かめてみましょう。プリセットの真実は直線と正しいモデル、不足するデータから始め、サンプルサイズのスライダーがそれぞれにどのような影響を与えるかを比較します。
-
まずは直線を考えます。真の関数をStraight(直線)に、ノイズを0.6に設定し、サンプルサイズを全範囲にわたって動かしてみましょう。真の誤差が最も低くなる次数は、11個のサイズのうち8つで1となり、残り3つで2となります。2より高くなることも1より低くなることも決してありません。そこに傾向は存在しません。次数が2になるのは15点、20点、50点のときであり、サンプルサイズが大きいときではありません。ここでは、データが増えても利用できる次数は全く増えないのです。
-
次は3次曲線です。ここで先ほどのスローガンが意味を持ちます。真の関数をCubic(3次曲線)に、ノイズを0.6に、データ分割を70%に、そしてサンプルサイズを10に設定します。訓練データは7個です。次数3での真の誤差は0.7297、次数1では0.6107となり、直線が正しいモデルをはっきりと上回っています。
-
ここは驚くべき部分なので、もう一度読んでみてください。データは本当に3次曲線から生成されているのに、3次曲線を当てはめるのは間違った選択なのです。ノイズの多い7個の点から四つの係数を推定しようとしても値が定まらず、その結果生じる誤差は、モデルが捉えようとする曲線の変化よりも大きくなってしまいます。
-
他の設定はそのままにして、サンプルサイズを40まで動かします。訓練データは28個になりました。次数3の誤差は0.6496、次数1の誤差は0.6616です。これで3次曲線が逆転し、真の誤差が最も低くなる次数は3となりました。
-
これら二つのケースは、一つの点で異なっています。直線の場合、次数1のモデルはすでに真の関数を完全に含んでいるため、データがどれだけ増えても係数を追加する理由にはなりません。モデルが説明すべきことはもう何も残っていないからです。10点のデータでの3次曲線の場合は、次数3のモデルも真の関数を含んではいますが、それを見つけ出すにはサンプルが少なすぎるのです。
解答
データが増えればより大きなモデルを使えるようになるわけではありません。すでに必要だったモデルを使えるだけの余裕ができるのです。その条件は、現在のモデルのクラスに何か現実の要素が欠けているかどうかです。もし欠けているなら、データが増えることで最終的にその欠けた部分に手が届くようになります。しかし欠けていないなら、データが増えても適切な複雑さは何も変わりません。だからこそ、真の関数が直線の場合は10点から120点までずっと次数1のままですが、ノイズの大きい3次曲線の場合は10点から40点の間のどこかで次数が1から3へと動くのです。しかもその動きは規則的ではありません。10から60までの7つのサイズでは「1, 1, 1, 4, 1, 3, 3」となります。各サイズが独自のサンプルを抽出するため、階段状というよりはサンプリングのばらつきが乗った傾向として現れます。特定のサイズで一回実行しただけでは、これら二つのうちどちらを見ているのかを判断することはできません。これは、誤差パネルの下にある二つの三角形が繰り返し示しているのと同じ教訓です。
-
学習の道すじ
データへの直線当てはめ
参考文献 (3)
- Why a high-degree polynomial through evenly spaced points swings wildly between them — the effect the top panel shows at degree 11 and above: C. Runge, “Über empirische Funktionen und die Interpolation zwischen äquidistanten Ordinaten.” Zeitschrift für Mathematik und Physik 46, 224–243, 1901.
- The origin of the fix this page argues for but does not implement — averaging several splits instead of trusting one: M. Stone, “Cross-Validatory Choice and Assessment of Statistical Predictions.” Journal of the Royal Statistical Society Series B 36(2), 111–133, 1974.
- The standard treatment of everything on this page — the bias-variance decomposition, the shape of a test-error curve, and why a single split is a noisy estimate of it: T. Hastie, R. Tibshirani and J. Friedman, The Elements of Statistical Learning. Springer, 2009.