囚人のジレンマとアクセルロッドのトーナメント

四つの利得を設定してください。ツールは相手の各手に対する最適反応を見出し、八つの戦略による総当たり戦を実行します。そして、対戦が長くなるにつれて各戦略が一ラウンドあたりに得られる利得の変化を示します。

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レッスン

理論 — 囚人のジレンマとアクセルロッドのトーナメント

四つの利得が二つの不等式を満たすとき、そのゲームは囚人のジレンマとなります。T > R > P > S により、相手の出方にかかわらず「裏切り」が最適な対応になります。ゆえに両者は裏切りを選び、互いに協調した場合よりも損をします。そして 2R > T + S 。これは交互に搾取し合うよりも、互いに協調する方が二人にとって有益であることを意味しています。順番に利益を奪い合うだけの展開に陥らず、ゲームを繰り返す価値を生むのはまさにこの条件です。

各記号の意味

T
誘惑:協調した相手を裏切って得る利得
R
報酬:互いに協調して両者が得る利得
P
罰:互いに裏切って両者が得る利得
S
騙され:裏切った相手に協調して得る利得

トーナメントの勝者は一試合も勝っていない 🖖

最後の列を見てください。「常に裏切り」は、1から200までのどのラウンド数でも8戦中6戦に勝利します。それでも、第7ラウンド以降は最下位に沈みます。対照的に「二度の裏切りに対するしっぺ返し」は、どのラウンド数でも8戦して1勝もできません。ところが、アクセルロッドが採用した200ラウンドを終えると、この戦略が首位に立ちます。「二度の裏切りに対するしっぺ返し」は、二度目の裏切りを待ってから報復するため、「常に裏切り」は5ポイントを2回奪い、その後は協力をやめた相手から1ポイントずつ回収しながら198ラウンドを過ごすことになります。計算すると 5 + 5 + 198 = 208 になり、対する相手は 0 + 0 + 198 = 198 となります。この直接対決では10ポイントの差をつけて勝利しますが、そんなことは問題ではありません。順位表が評価するのは合計得点であり、得失点差ではないからです。ここで「常に裏切り」が1ラウンドあたり1.04ポイントを稼いでいる間に、初手で協力する5つの戦略は、互いから1ラウンドあたり3ポイントを着実に蓄積していました。この構造と利得を1980年のトーナメントで定めたロバート・アクセルロッドは、その結論をひとつの助言として残しています。「嫉妬してはいけない」。あなたが戦っている相手は、目の前のプレイヤーではなく、このゲームそのものなのです。

四ラウンドがすべての違いを生む 🖖

ラウンド数のスライダーを1まで下げてみましょう。「常に裏切る」戦略がラウンドあたり4.000点を獲得してトップに立ち、協調から入る戦略はすべてその下に沈みます。2ラウンドにしても3.250点で依然としてトップ。3ラウンドでも2.833点でトップのままです。しかし4ラウンドになると3位に転落し、それ以降は二度と首位には戻れません。スライダーを200に戻すと、グラフ上の垂直な破線が、首位が初めて入れ替わったラウンドを指し示しているのがわかります。首位の交代は20ラウンド目以降にさらに11回起こり、48ラウンド目の最後の逆転を経て、そこからは「2回しっぺ返し」戦略が首位を維持します。0から10までの整数で適切なジレンマが成立する250通りの利得表をすべて検証してみると、そのうちの237通りで、自分から裏切らない戦略がトップに立ちます。たいていは4ラウンド目までに、遅くとも20ラウンド目までには逆転しますが、残りの13通りでは200ラウンドを費やしてもトップに立つことはありません。ゲームそのものは変わっていません。どのラウンドを見ても、支配的な手や均衡状態は同じです。4ラウンド目がもたらすのは、言わば請求書です。今の裏切りは後になって必ず代償を伴います。そして4ラウンドという長さは、その請求書が手元に届くのに十分な時間なのです。

百回に二回のミスは、二十回のミスとほぼ同じ被害をもたらす 🖖

ノイズがない状態では、全手番の62.2%で協調が選択されます。スライダーを2%に動かしてみましょう。100手につき2手の割合で戦略の意図とは逆の手が出てしまう設定です。すると、協調の割合は50.2%にまで落ち込みます。さらに進めてみます。4%で50.6%、10%で50.2%、20%で50.0%。エラー率を10倍にしても、これ以上協調が失われることはありません。2%のノイズが壊してしまったものは、二度と元には戻らないのです。「恨み屋」戦略は、この崩壊の残酷さを最も顕著に示しています。決して相手を許さないからです。200ラウンドのどこかで相手に一度でも裏切られると、その試合での協調関係は完全に断たれてしまい、結果として2位から5位に転落します。一方で、3回に1回は裏切りを許す「寛容なしっぺ返し」戦略が2位に浮上します。ノイズがない状態では3位にすぎませんでした。誰も許しを求めていない状況下では、その寛容さがかえって代償となってしまうからです。

全プロセスの詳細解説

  1. 関係はどの程度長く続く必要があるのでしょうか。このシミュレーションツールは決められたラウンド数を行います。しかし、搭載されている八つの戦略はどれも、終わりが近づいたからといって行動を変えることはありません。現実世界の反復ゲームは、いつ終わるか誰にも予測できないものです。したがって問うべきは、全部で何ラウンドあるのかではなく、次のラウンドが起こる確率がどれくらいあるかということです。

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    1. 現在のラウンド以降も対戦が続く確率を w とします。一回の裏切りを永遠に罰する恨みに対して永遠に協調し続けた場合、毎ラウンド R の利得が得られます。この等比級数の和は 1 マイナス w 分の R となります。

    2. 一度裏切ると、このラウンドでは T を得ますが、恨みは二度と協調に戻らないため、それ以降のすべてのラウンドでは P を得ることになります。

    3. 前者の利得が後者以上であるとき、協調が成立します。両辺に 1 マイナス w を掛けると級数が消去され、w に関する一つの不等式が残ります。

    4. アクセルロッドの利得設定では、これは4分の2になります。対戦が継続する確率が半々かそれ以上である必要があり、これは期待値にして2ラウンドの長さに相当します。

    5. 次に、一ラウンドだけ罰してその後は許すしっぺ返しに対して、同様に協調から外れた場合を考えてみましょう。裏切った側は T を得て、次に S を得ますが、その後は再び永遠に R を得ることになります。この場合、閾値は三分の二に上がり、期待される長さは三ラウンドになります。

    6. ここでは、より寛容な報復者ほど、より長期的な関係を必要としています。その理由は一つ上の行が示しています。すなわち、T − P の差のほうが大きいからです。これは決して普遍的な法則ではありません。四つの入力値から構成される整数のジレンマ250通り全体で見ると、この傾向が当てはまるのは50通りにすぎず、130通りでは完全に逆転します。試しに T を 4、P を 2 に設定してみてください。「しっぺ返し」戦略が必要とする長さはわずか3分の1になります。

    解答

    決して許しを与えない報復者に対しては、w が (T − R)/(T − P) = 1/2 に達した時点で協力が安定します。これは期待値にして2ラウンドです。一回のラウンドで許しを与える相手に対しては (T − R)/(R − S) = 2/3 が必要となり、期待値は3ラウンドになります。このツール自体の分岐点は 4 であり、この 2 と 4 の差こそが周囲の環境を意味しています。閾値が問うているのは、2人のプレイヤー間でいつ協力が裏切りを上回るかです。一方で順位表が問うているのは、8人の対戦相手に対する協力者の平均成績がいつ裏切り者を上回るかであり、しかもその8人のうち3人は最初から裏切りを選択します。2ラウンドあれば安定したペアが生まれます。4ラウンドあれば、ひとつのリーグが出来上がるのです。

学習の道すじ

最適反応、そして誰も計算しないときに起こること

参考文献 (4)