積分法を選ぶ

この章ではこれまで、どのページも積分を見せる前に使う技法を示していました。ここではさまざまな問題が混ざっていて、最初に何をするかを選ぶと解答欄が開きます。目の前の積分について、五つの選択肢はすべて探索済みです。選んだ手から三手以内に積分表の形にたどり着けるか、もっと短い道筋があるかを確かめられます。

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レッスン

理論 — 積分法を選ぶ

積分の技法を選ぶとは、解法の指定がない積分に対して、最初の一手を決めることです。積分表をそのまま使うか、置換積分、部分積分、部分分数分解、三角関数による変形のどれかを使います。このページでは、選んだ一手のあと、多くても二手加えれば積分表に載っている積分だけになるとき、その一手が有効だと判定します。手数は技法を適用した回数です。部分積分の途中で dv の積分に置換積分を使えば、それも一手と数えます。和を項ごとに分ける操作は数えません。

前提
探索に使えるのは、この五つの選択肢だけです。平方完成はできないので、∫dx/(x² + 2x + 5) は積分表の形にたどり着けないと判定されます。このページには、そのような問題は出しません。三角関数による変形では、前のページで学んだ操作を使います。指数が奇数なら du に使う因子を一つ残し、偶数なら半角の公式を使います。tan² は sec² − 1 に書き換え、secⁿ は次数を下げます。√(a² − x²)、√(x² + a²)、√(x² − a²) には、それぞれ x = a sin u、a tan u、a sec u とおく置換を使います。

全プロセスの詳細解説

  1. 分子が分母の導関数 2 ステップ

    ∫x/(x² + 9) dx を求めます。

    1. 着眼:分子は分母の導関数の半分。方針:分母を置換する。

    2. 対数の形です。x² + 9 は決して負にならないので、絶対値記号は要りません:

    解答

    ½ ln(x² + 9) + C. 部分分数分解は役に立ちません。x² + 9 には実数解がなく、分解の足がかりがないからです。

  2. xのべき乗と指数関数の積 2 ステップ

    ∫x e3x dx を求めます。

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    1. 着眼:一方の因数は微分で簡単になり、もう一方は積分しやすい形。方針:u = x とおく部分積分。

    2. 一度で済み、残る積分は基本公式そのものです:

    解答

    e3x(x/3 − 1/9) + C. 置換積分は通用しません。e3x の隣にある x は、3x の導関数ではないからです。

  3. 因数分解できる分母 2 ステップ

    ∫5/((x + 1)(x − 4)) dx を求めます。

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    1. 着眼:分母がすでに因数分解されている有理関数。方針:目隠し法による部分分数分解。

    2. 対数がふたつ:

    解答

    ln|(x − 4)/(x + 1)| + C. 目隠し法で割られるのは分子の 5 です。すなわち 5/(4 + 1) と 5/(−1 − 4) です。

  4. 余弦の偶数乗 2 ステップ

    ∫cos²x dx を求めます。

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    1. 着眼:偶数乗であり、du に回せる因数がない。方針:半角の公式を使う。

    2. 項別に積分します:

    解答

    x/2 + sin 2x/4 + C. u = sin x ではうまくいきません。cos x のひとつは du になりますが、偶数乗なのでもうひとつが √(1 − u²) として残ってしまいます。

  5. 部分積分に見えて、実は置換積分 2 ステップ

    x > 0 における ∫(ln x)/x dx を求めます。

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    1. 着眼:すぐ隣にある 1/x は ln x の導関数です。方針:u = ln x と置換します。

    2. u のべき乗:

    解答

    (ln x)²/2 + C。部分積分でも解けます。I = (ln x)² − I と元の積分自身に戻ってくるからです。けれど置換なら、一行で答えに届きます。

  6. 実数解なし:平方完成 2 ステップ

    ∫dx/(x² − 6x + 10) を求めます。

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    1. 着眼:判別式 36 − 40 が負になるため、因数分解できません。方針:平方完成です。

    2. 3 だけ平行移動したアークタンジェントの形:

    解答

    arctan(x − 3) + C。この変形だけは、このページの検索機能では導けません。だからこそ、一度は手計算してみる価値があります。

  7. 仮分数型:まずは割り算 2 ステップ

    ∫x³/(x² + 1) dx を求めます。

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    1. 着眼:分子の次数が分母を上回っています。方針:まずは割り算です。

    2. 続いて、べき乗と f′/f の形:

    解答

    x²/2 − ½ ln(x² + 1) + C。二段階の手順です。二手目は置換ですが、最初の一手を打つまではどちらも見えてきません。

  8. 手がかりのない積分で面積を求める 3 ステップ

    ∫0π²/4 sin √x dxを求めましょう。手がかりがないを押すと、ページは置換積分、部分積分の順に2回の操作で原始関数を求め、そこで止まります。

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    解答を表示
    1. u = √xと置くと、x = u²、dx = 2u duです。積分区間も変わります。x = 0ならu = 0、x = π²/4ならu = π/2です。

    2. 2uを微分し、sin uを積分して部分積分すると:

    3. 新しい積分区間で評価します。cos(π/2) = 0、sin(π/2) = 1なので:

    解答

    正確に2です。積分区間の両端にはπが入っているのに、答えには残りません。置換によってπ²/4がπ/2に変わり、そこでsinは1、cosは0になるためです。元の被積分関数にシンプソンの公式を使い、4,000分割で計算すると1.999999になります。√xの傾きが0で無限大になるため、2への近づき方はゆっくりです。

置換積分と部分積分、両方の手がかりがあれば置換から 🖖

両方に当てはまるを押してみましょう。2x·e^(x²) はべき関数と指数関数の積で、ふつうなら部分積分を考える形です。部分積分でも三手で積分表の形にたどり着けますが、u = e^(x²)、dv = 2x dx とおくと、残る被積分関数は 2x³e^(x²)。もとより長くなっています。置換積分なら一手です。指数関数の中にある x² の導関数 2x が、すでに隣にあるからです。このページでは、生成した 1,100 問で同じ比較を行いました。両方の手がかりに当てはまったのは 113 問。そのすべてで置換積分が最短の一手となり、部分積分が最短だった問題はありませんでした。また、そのうち 26 問では、部分積分から三手以内に積分表の形にたどり着けませんでした。一方、置換積分の手がかりがなく、部分積分の手がかりだけに当てはまる問題では、188 問中 181 問で部分積分が最短でした。

多くの積分には、複数の始め方がある 🖖

二通りの始め方を押してみましょう。sin x·cos x は、u = sin x とおく置換積分で一手で求められます。部分積分でも一手です。u = sin x、dv = cos x dx とおくと、もとの積分が再び現れ、I = sin²x − I となるので、I = sin²x/2 と求まります。du に使う因子を一つ残す三角関数の変形でも、一手で求められます。1,100 問のうち 842 問では、五つの選択肢のうち二つ以上から始めて三手以内に積分表の形にたどり着けました。また、650 問には、最短の解法との差が一手以内に収まる別の解法がありました。別の解法の中には、有理関数に部分積分を使うなど、教師なら選ばない遠回りもあります。それでも答えにたどり着くので、数に含めています。このため、このページでは使う技法を一つに決めていません。積分表の形にたどり着けるなら、どの一手から始めても正解です。もっと短い道筋があるかどうかは、ボタンの下に表示されます。異なる解法で、見た目の違う答えが出ることもあります。どちらも正しい理由は、この章の最初のページ、原始関数で扱っています。

式の長さから、必要な操作回数はほとんどわからない 🖖

式の短さと難しさを押してみましょう。arctan x は記号二つで書けますが、積分には二手かかります。まず dv = 1·dx として部分積分をすると x/(x² + 1) が残り、次に置換積分を使います。見比べる問題の中にある −6x⁴ − 2/√(1 − x²) は記号が十五個で、そのまま積分表を使えます。1,100 問について式に含まれる記号の数を見ると、積分表をそのまま使える問題の中央値は 8、一手かかる問題は 10、二手かかる問題は 9 でした。積分表をそのまま使える問題で最も長いものは 15、二手かかる問題で最も短いものは 3 です。手がかりが捉えるのは式の組み立てです。何が何の中に入っているか、どの因子を微分すると簡単になるか、分母が因数分解できるか、sin の指数が奇数か偶数かを見ています。

学習の道すじ

積分法

参考文献 (2)