| 一次の因数それぞれ | |
|---|---|
| 二次の因数それぞれ | |
| 単根 a に対する係数 |
レッスン
理論 — 部分分数
部分分数分解とは、P の次数が Q より低い有理関数 P(x)/Q(x) を、実数の範囲での Q の各因数に対応する単純な分数の和として書き表すことです。重複度までの一次因数の各累乗に対して A/(x − a)k を置き、実数根を持たない二次因数の各累乗に対して (Bx + C)/(x² + px + q)k を置きます。P の次数が低くない場合はまず割り算をします。それぞれの分数を積分すると、有理関数、対数、または逆正接になります。
各記号の意味
P/Q- 被積分関数、分母の上に分子を置いたもの。Q の実数根が f の極になります。
C- 積分定数、極の間の各区間で異なっていてもかまいません。
公式の導き方
- 重複のない因数なら、手で覆い隠すだけです。恒等式の両辺に x − a を掛け、x = a と置いてみてください。他の分数はすべて消え去り、分母の残りに a を代入した値で P(a) を割れば、そのまま A が求まります。
- 因数が重複しているなら、次数ごとに分数をひとつずつ用意します。(x − a)² なら、A/(x − a) + B/(x − a)² と表します。手で隠してそのまま求まるのは B のほうです。残る A を見つけるには、ある次数の係数を比較するか、x に適当な別の値を代入してみてください。
- 実数解をもたない二次式。分子を、その二次式の導関数の定数倍と定数項に分けます。前半は対数に、後半は平方完成を経て逆正接関数へと積分されます。
- 成り立たない場合
- この分解には Q の根が必要ですが、4次より上では根号を用いた公式が存在しない場合があります。係数は依然として厳密な数値ですが、同様に根号では表せない可能性があります。x⁵ − x − 1 の設定では、最初の係数は正確に 1/(5r⁴ − 1)(r は実数根)であり、r と同様に根号による公式はありません。このページではそれらの数値的な近似値を扱っています。答えの有理関数部分には決して根を必要としません。シャルル・エルミートは多項式の演算だけでそれを見つけられることを示しており、ハーディの §4 でその手法が紹介されています。
全プロセスの詳細解説
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二つの一次因数:ヘビサイドの隠蔽法 3 ステップ
∫(x + 7)/((x − 1)(x + 3)) dx を求めよ。
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一次因数ごとに分数を一つ置きます:
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因数を順に隠して、それぞれの根を代入します:
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それぞれの分数は、積分すると対数になります:
解答
2 ln|x − 1| − ln|x + 3| + C. 連立方程式など不要で、わずか二行の計算です。この隠蔽法がうまくいくのは、x − 1 を掛けて x = 1 を代入すれば、他の分数がすべて 0 に消えるからです。
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重複因数 3 ステップ
∫dx/(x²(x + 1)) を求めよ。
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x² は重複因数ですから、x の項と x² の項、二つの分数を用意します:
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隠蔽法で B と C が求まり、x² の係数から A が決まります:
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各項を積分します。B/x² は対数ではなく、べき乗の積分です:
解答
ln|(x + 1)/x| − 1/x + C. B/x² と C/(x + 1) だけで済ませてしまうのが、よくある落とし穴です。二つの分数だけでは足しても元の式にならず、係数比較をしても解がなくなってしまいます。
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実数解を持たない二次式 2 ステップ
∫(3x + 1)/(x² + 1) dx を求めよ。
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x² + 1 は因数分解できないため、分子をその導関数 2x の定数倍と定数項に分けます:
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前半は f′/f の形、後半は逆正接関数です:
解答
(3/2) ln(x² + 1) + arctan x + C. x² + 1 は決して負にならないため、対数に絶対値記号は不要です。
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一次因数と二次式の積 3 ステップ
∫dx/(x(x² + 1)) を求めよ。
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二次式の項の分子には、一次式 Bx + C を置きます:
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隠蔽法で A が求まり、残りを係数比較すれば B と C が決まります:
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対数と、二次式から現れる対数です:
解答
ln|x| − ½ ln(x² + 1) + C. x² + 1 の分子を定数だけにしては足りません。分母が二次式なら、分子には一次式まで置くことが許されているからです。
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仮分数式:まずは割り算から 3 ステップ
∫(x³ + x)/(x − 1) dx を求めます。
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分子の次数のほうが高いので、まず割り算をします:
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多項式と真分数式の和:
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項ごとに積分します:
解答
x³/3 + x²/2 + 2x + 2 ln|x − 1| + C. 部分分数分解を行うのは、分子の次数が分母より低くなってからです。
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平方完成 2 ステップ
∫dx/(x² + 4x + 13) を求めます。
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判別式は 16 − 52 < 0 で実数解がありません。平方完成をします:
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h = −2、k = 3 とした逆正接(arctan)の形です:
解答
(1/3) arctan((x + 2)/3) + C. 先頭の 1/3 を落とすのが、よくあるミスです。arctan((x + 2)/3) を微分すると 3/(x² + 4x + 13) となり、被積分関数の 3 倍になってしまいます。
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極の間での定積分 2 ステップ
∫01 dx/(x² − 4) を求めます。
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x² − 4 = (x − 2)(x + 2) であり、目隠し法から ±1/4 が得られます:
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極である ±2 はどちらも [0, 1] の外にあるため、この積分区間でそのまま公式を適用できます:
解答
−(ln 3)/4 ≈ −0.2747。区間 [0, 1] で 1/(x² − 4) は 0 未満ですから、値が負になるのは自然です。区間の内部に極がある場合、同じように引き算をすると、存在しないはずの積分に対して数値が出てしまいます。積分定数の解説で注意を促したとおりです。
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∫ dx/(x⁴ + 1):実数根なし、二つの実数係数の二次式 5 ステップ
∫₀^∞ dx/(x⁴ + 1) を求めます。分母に実数根がないため極も一次因数もなく、ページのどの問題とも似ていません。構成要素を確認するために 逆正接 を押してください。
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x⁴ + 1 は実数根を持ちませんが、2x² を足して引くことで平方の差になるため、二つの実数係数の二次式に分解されます。
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どちらの二次式も実数根を持たないため(判別式は両方とも 2 − 4 = −2)、それぞれの上に一次式を置きます。係数を比較すると次のようになります。
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それぞれの二次因数部分は、対数を与える分母の導関数の定数倍と、逆正接を与える平方完成された分母の上の定数に分割されます。
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したがって、数直線全体で有効な原始関数は次のようになります。
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x = 0 のとき対数は ln 1 = 0 となり、逆正接は打ち消し合います。x が大きくなると、対数は再び ln 1 = 0 に収束し、各逆正接は π/2 に収束します。
解答
π/(2√2) ≈ 1.1107。ページのエクスプローラーは x² + c で止まっていますが、実数根を持たない4次式には、対数と逆正接という同じ二つの手順を二回実行する必要があり、すべての係数に √2 が含まれます。
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学習の道すじ
積分法
参考文献 (3)
- The integral of a rational function as a rational part plus Σ A log(x − a), with the coefficient over a simple root a given by P(a)/Q′(a) (§1, pp. 12–13), and the page's third claim in his words: “The roots of Q(x) = 0 are not in general explicit algebraical functions of the coefficients, and cannot as a rule be determined in any explicit form. The method of partial fractions is therefore subject to serious limitations” (§3, p. 15). §4 credits Hermite with finding the rational part without the roots: G. H. Hardy, The Integration of Functions of a Single Variable, 2nd ed., Cambridge Tracts in Mathematics and Mathematical Physics no. 2, Cambridge University Press (1916), Chapter IV, §§1–4.
- The arctangent as a logarithm: Example 2.1 (p. 4) checks by differentiation that 2i tan⁻¹(x), plus a constant, is a logarithm of the non-vanishing function (x − i)/(x + i), and why that matters: allowing only real exponentials and logarithms, 1/(1 + x²) would not be elementarily integrable at all (p. 7): B. Conrad, “Impossibility theorems for elementary integration”, Clay Mathematics Institute Academy Colloquium lecture notes (2005), §2, Example 2.1, and §3, p. 7.
- Why x⁵ − x − 1 has Galois group S₅: Dedekind's theorem turns a factorisation mod p into distinct irreducibles of degrees d₁, …, dₘ into a permutation of cycle type (d₁, …, dₘ) in the Galois group, and Theorem 2.1 says “a transitive subgroup of Sₙ that contains a transposition and a p-cycle for some prime p > n/2 is Sₙ”. The page supplies the factorisations (irreducible mod 5; (x² + x + 1)(x³ + x² + 1) mod 2) and its check verifies them: K. Conrad, “Recognizing Galois groups Sₙ and Aₙ”, expository note, University of Connecticut, §1 and Theorem 2.1.